惑星探査機

数学のこととか

Matlis 双対とか

最近は可換環論では Gorenstein 環の基本的なことをゆっくり勉強していたりする.

先に小咄的なことなんだけど,  (R, \mathfrak{m}, \kappa) があったとき,  E_R(\kappa) \kappa の injective hull とする. このとき,  \mathrm{End}(E_R(\kappa)) って  R の完備化と同型だったりする. (証明は簡単で,  E := E_R(\kappa) の素因子が  \mathfrak{m} しかないから  E = \bigcup E[\mathfrak{m}^n ] とかけて, あとは Matlis 双対.)

ところで  \mathrm{Ext} 関手のことって, 導来圏で考えたほうが絶対いいんじゃないかって. 実際 Cohen-Macaulay  R-加群  M について  M \to \mathrm{Ext}^{d - t}(\mathrm{Ext}^{d - t}(M, E), E) みたいな同型があるわけだけれども, よく考えればこの射が自然にあることはわりと自明. 導来圏で自然な構成にみえる射のことを調べるというなら, Gorenstein とか Cohen-Macaulay とかの言葉を圏論的なセッティングにもっていきたくなる.