惑星探査機

数学のこととか

円分指標

いわれてみればそういうのもある, みたいな構成. J. Neukirch, A. Schmidt, K. Wingberg, "Cohomology of Number Fields", VII §3 を参照.

 k を体としたとき,  \mu k代数閉体のなかの unity のなす群とする.  G_k k の絶対 Galois 群とすると,  \mu G_k-加群となるが,  \mathrm{Aut}(\mu) は自然に  \prod_{\ell \neq \mathrm{char}(k)} \mathbb{Z}_\ell^\times と同型であるため, 円分指標  \chi_\mathrm{cycl} \colon \prod \mathbb{Z}_\ell^\times が得られる.

この指標はすなわち,  \mathbb{Z}/n\mathbb{Z} \mu_n のあいだの乖離についてコードしたオブジェである.

 \mathrm{char}(k) と互いに素な有限  G_k-加群  A について, 円分指標を用いて捻ったものを Tate twist といい,  A(1) と表記することがある.

有限とかいたが副有限あるいは torsion module のクラスで定義できること, あとは捻れが functorial なことは容易に確認できる. ここで,  \mathrm{char}(k) = 0 のとき,  \hat{\mathbb{Z}} の twist  \hat{\mathbb{Z}}(1) のことを円分物とよぶ. これは,  \mathrm{lim} \  \mu_n なる  G_k-加群と同型である. しかしながらこの同型は非標準的なかたちで実現される.